運命の二人~白と黒の物語~
「凛々。」と急に近くから名前を呼ばれたので、はっと我にかえった。


顔を上げると、ジャスティスが覆い被さるように、凛々の両脇に手をつき、じっと見つめていた。

あまり近くに顔があったので、凛々の鼓動は早くなり、頬が赤く染まってきた。


ジャスティスの黒い瞳は、宇宙のように深くいつもい込まれそうになる。


凄く綺麗な瞳。
この瞳の奥はどうなっているんだろう。見ていて飽きる事がない。


今日は、いつにも増して深い色をしていて、熱を帯び、潤んでいる。


凛々が魅惑され、うっとりとしていると、ジャスティスの顔がゆっくりと近づいて、口づけされた。


軽く、触れるように。


そっと。


凛々は驚いて、指で自分の唇に触れた。


ジャスティスの唇は鉄を溶かしたように熱く感じて、凛々の唇にいつまでも余韻を残していた。


凛々はジャスティスからますます目が離せなくなっていた。




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