運命の二人~白と黒の物語~
凛々はジャスティスの手の温もりを感じながら目をあわせると、うっすらと顔を赤らめた。


そして部屋のほうに向き直った。


本当は皆に“ごめんなさい!”と謝りたかった。

でもそれはジャスティスやマーサ、バルゴからも止められていた。象徴が謝ってはいけないと。


今、理由が分かった。
“象徴”の意味を。


魔界にとって“月”は王の証だけじゃないんだ。

人々の生活にも関わるものだったんだ。


地球にとっての太陽のように。


ううん。もっと大切なのかも知れない。


そんな事も知らない私が、表面で謝ってもなにもならない。


ここにいる人達の視線を見れば分かる。


私達に求められているもの。


凛々は責任の重さを感じて急に怖くなった。





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