運命の二人~白と黒の物語~
マーサは暫く泣きながら喋っていたが、やっと落ち着いて本来の仕事を思い出したようだった。

「申し訳ありません、リリー様。本当に嬉しくて!えぇ、もう大丈夫です。」

また泣くのじゃないかと凛々は慌てたが、マーサはメイドの顔に戻っていた。

「さあ、湯あみの用意が出来ています。昔から一人で入るのがお好きでしたよね?どうぞゆっくりとお入り下さい。私は、その間に食事の用意をして参ります。」

「ありがとう。でもお腹は空いてないの。食事は要らないわ。」

「分かってますとも。」マーサは何でも心得ているようだ。

「長く眠られていましたから。ですが、何も口にしないのはお身体に障ります。スープをご用意致しますね。」

そう言うとテキパキと動き、着替えを用意すると風呂場へ案内した。


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