運命の二人～白と黒の物語～
いくら結界を強めても、国の衰退は止まらない。
もう限界だと思い始めた時、彼女を見つけたのだ。

彼女は地上の輪廻に同化して、生と死を繰り返していた。


地上の命の時間は短い。気配を消している事もあり、見つけた頃には命が尽きて消えてしまっていて、次はいつ生まれてくるのかも分からなかった。
何度も逃げられ、繰り返しているうちに、ジャスティスは一つの事に、気づいた。

彼女の側にいつも同じ魂がいる。

その魂が生を受けると彼女もそれに合わせて生まれるのだ。

その事実を知った時、ジャスティスは心臓をえぐられたような気持ちになった。


彼女が俺以外の魂を愛し求めている。

天上人は生涯に只一人しか愛さない。

彼女が愛を捧げたのは自分ではないのだ。
この魂を追って地上に行ったのか。

余りにも辛い事実だった。

運命の相手であり、生涯の伴侶となるはずだった。愛しているのに。


現実を受け入れるのに長い時間がかかった。

気持ちが落ち着き、冷静になった時、また一つの考えが浮かんだ。

(何故新しい“W”が生まれてこない？)

彼女が完全に地上に取り込まれていたなら、魔界や天上界から切り離され、新しい“W”が生まれるはず。しかし、そんな話はレスターからも報告がない。
という事は彼女はまだ自分の許嫁ということだ。

この現実もジャスティスには皮肉なものだ。


契約の神は何を考えているのか…
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