運命の二人~白と黒の物語~
私のせいじゃないわ。

こっちだって好きでこんなトコいたい訳じゃないんだから。

ムカムカしてるうちにスープとパンが運ばれてきた。


正面を見ると、あの男にも(ジャ…スティスだっけ。舌を咬みそうな名前。)食事が運ばれて来ていた。

わわ!二人で食べるの?席こんなに遠くちゃ、話も出来ないし、どんな顔して食べたらいいの?気まずい!


凛々がスープを飲みながら、目のやり場に困りチラチラ相手を見ていると、それに気づいたジャスティスが、メイドを呼び、何かを伝えた。

ジャスティスの前にあった皿は運ばれ、凛々の斜め前に席が作られた。

そして、ジャスティスがそこに座った!

「お早う。良く眠ったようだな。」

な、何で急に移動してくるわけ?わー。何話せばいいの?れ、冷静にならなきゃ。

「どうした?こんなに席が離れてたら聞きたい事も聞けないのに。という顔をしていると思ったが?」

…図星。

だからって急に来られても…

「まあ、そうだな。急に話もないか。食事が終わったら、聞きたい事に、答えよう。」

そう言ってジャスティスは食事を続けた。

何だか全部見透かされてるみたい。
だけど、気まずい私に気を使ってくれたんだよね。
多分。

「…ありがとう…」
小さな声だけどお礼を言った。

ジャスティスは目を見開いて、こちらを見ていたが、また食事に戻った。

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