色のない世界。【上】
「…何があっても俺が美桜を守る。美桜が俺の名前を呼ぶ限りどこにいようが何をしてようが必ず美桜の所に駆けつける」
今までこんなに女のことを考えたことなんてなかった。
どこの女も俺の地位や外見で決めて近寄ってくる女ばっかだと思ってたから。
学校も女が寄って来て、勉強もつまんねぇからサボってた。
俺には毎日が退屈だった。
でも美桜に会って色のない俺の世界に色がついた。
いつでも俺に笑顔を見せる、美桜。
それを見ただけで俺の世界に色がついたようだった。
美桜が俺の世界からいなくなれば俺はまた色をなくして退屈な日々を送ることになるだろう。
…そうか、そういうことか。
いつの間にかこんな風に思ってたんだな、美桜のこと。
俺の世界には美桜が欠かせなくなってたんだ。