色のない世界。【上】
必然的な運命…か。
確かにそうかもしれない。
じゃなきゃあの坊主が美桜様を愛してるなんて言わないか。
『…美桜を愛してる。だから俺の持てる全ての力を使って守ってやりてぇんだ』
あの言葉を聞いて満足した。
あいつなら美桜様を守ってくれる。
私がいなくても大丈夫。
もう私は要らないのか。
そのつもりで来たのに何故だろうか、自分の存在が何なのか分からなくなる。
私がもう要らないと思うと自分が何のために居るのか分からない。
「…それで、あなたはどうするの?こうなった以上あなたはただじゃ済まないと思うけど」