色のない世界。【上】
ベッドの上に座り、窓を見る。
カーテンで遮断された朝日は私の部屋に入ってくることはない。
もう一週間も開いてない窓。
そこから悠汰様が顔を出して笑うことも一週間、なかった。
また前のような辞書を読むだけの一週間だった。
部屋に来るといえばメイド達だけ。
その他はシンと静まり返っている。
起きて、食べて、読んで、寝る。
その繰り返し。
悠汰様がいないとこんなにもこの部屋が静かなんだと最近知った。
悠汰様がいないとこんなにも心が枯れるのだと知った。
以前はこんなこと思わなかったのに。
こんな静かな生活が当たり前だったのに、いつの間にか当たり前じゃなくなってる私がいる。
少しは変わったのかな?私は。