色のない世界。【上】
【side ???】
私立、煌明(こうめい)高校。
俺の通ってる学校。
高校なんてどこでもよかったのに、親父達がここに行けってうるさいからここにした。
…仕方なく。
世界屈指の大財閥、九条院家が経営してる学校だとかなんとか言ってた気がするが、そんなのどうでもいい。
…学校なんて退屈なだけだ。
廊下を歩いて教室へ向かう。
ったくヤマトとテツのやつ、大げさに包帯ぐるぐる巻きにするから歩きづれぇ。
廊下を歩くと女共の視線がこっちに向く。
何やらザワザワ話してる。
「やばっ!鷹沢くんだ♡イケメ~ン♡」
「あの顔でスポーツも勉強も出来るなんてヤバすぎ!」
「でも性格かなり冷たいらしいよ。この前三年の先パイ冷たくフったらしい」
「しかも日本一の極道一家の若頭だって噂もあるよ~!」
…下らねぇ。
外見がいいからって近付いて、でも冷たくて嫌だからやめる。
そんな自分の都合しか考えてねぇ女はたくさん寄ってきた。