色のない世界。【上】
あ、もう1人いたがとりあえず置いとく。
「さすが文武両道の鷹沢悠汰くん。学校何日サボろうが関係ないってか?」
ヘラヘラ笑ったムカつくクソメガネ男がやってきた。
黒髪に青のメッシュが入ったサラサラの髪、見ただけでもイラつく。
だからだいたいは睨んでからの無視。
メガネ男・蓮(れん)は俺をからかうのが好きらしい。
…ったく、いい迷惑だ。
すると蓮は目線を俺の足元へと移す。
「でもそんな鷹沢くんが怪我なんかして、一体どうしたのかな?」
…こいつ、今すぐ殴りてぇ…!!
ギュッと手を力強く握って堪える。
「悠汰どうしたの、その左足!!」
今更気づいた夏帆はガタッとイスから立ち上がり、驚いている。
俺は仕方なく軽い切り傷だが、ヤマトとテツが大げさにぐるぐる巻きにしたことを話した。
「あんたも大変ね。家柄が家柄だものね。追っかけられてるんでしょ?敵対組に」