色のない世界。【上】
蘭子は怒ると関西弁になる。
かなり似非っぽいが…
疾風のが正論だが、蘭子の怒りは収まらない。
「空気読んで察しろゆうてんねん!読者に何遍おんなじ話し読ませなあかんねん!」
「やっ、でもオレ後から来…「ほんなら空気読んで黙ってそこに立っとけや!!」
蘭子の顔は猛獣のようだった。
恐れおののいた疾風は蓮の後ろに隠れた。
蘭子は空気の読めない男=疾風が嫌いらしい。
疾風は助けを求めるように俺の後ろに隠れた。
蘭子はしばらくジッと疾風を睨み、やがてフンと視線を外した。