色のない世界。【上】
誰もが出来損ないの欠陥品だと言うのなら…
「…悠汰は誰に何を埋めてもらったの?」
「…は!?」
普通に出てくる疑問だと思うのだけど、悠汰は自分が聞かれると思わなかったのか目を丸くしてる。
だって知りたいから。
悠汰のことを、もっとたくさん。
「私は悠汰に感情や外の世界とか、知ることのなかったことを埋めてもらったわ。
だから悠汰もきっと、誰かに何かを埋めてもらったのだろうと思って……」
「………っ」
悠汰は頭を掻きながら、ワタシとは反対方向に顔を向けてしまった。
暗くてよく見えないけど、耳が少し赤く見えるのは気のせい?
「……俺は……お前に…」
「私に?」
私は一体悠汰の何を埋めたのだろう。
私は欠陥だらけで、何も役にたってないと思うのに。
なんだろうと考えていれば、悠汰が私の方を向いて真剣な表情で口を開いた。
「…俺は……お前に…
………愛を…埋めてもらった………」