色のない世界。【上】




悠汰様の姿が見えなくなるまで見つめる。




…とても不思議な人。




2回しか会ってないのに、お話ししているだけで"外の世界"のことが身体の中に入ってくる気がする。




もしこのまま"外の世界"を知ったら、私は何を思って、何を考えるのだろう…-




"外の世界"を知ったお母様は何を思ったのだろう。




それを知った私は、どうなるの?




知ったところで私が"道具"なのに変わりはない。




でも知りたいと思うのはいけないの?




悠汰様との出会いが、私の気持ちの変化が、今後の私の生き方を大きく変えることになることを私はまだ知らずにいた…-ーーー


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