色のない世界。【上】




お母様と同じようなものを悠汰様から感じる。
だから悠汰様も今の私の太陽のような人。




そんなことを考えていると頭の隅に一つ気になることが出てきた。




悠汰様はいつも夕方に来るのに、今は昼。
制服を着ているから今日は学校の筈。




「悠汰様、学校はどうしたのですか?」




私は首を傾げる。
でも悠汰様の表情は何一つ変わらない。




「めんどくせぇから、サボった」




一言いって悠汰様は持ってきた袋をあさっていた。




めんどくせぇ?
あ、きっとこの前教えてもらった"めんどくさい"のことなのかな?




では、サボるとは?
私はイスから立ち上がり、本棚から辞書を取る。




『サボる』…なまける。怠けて仕事を休む。ずる休み。
と書いてあった。




ずる休みとはどういう休みなの?
響きは悪そうに感じるけど…



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