色のない世界。【上】
mob family
歩きながら夜空を見上げため息をつく。
夜空にはたくさんの星が瞬いている。
俺の足はゆっくりと自宅へ近付いた。
普通の住宅街にはそぐわない、いかつい木製の門。
やたらと広い敷地。
そして門には「鷹沢組」と書かれた看板。
その門の前に立っている2人の男。
…また、あいつらだ。
俺の存在に気付いた2人は慌てて駆け寄ってきた。
「若っ!どこ行ってたんスか!?心配したんスよ!?」
テツが額の汗を手で拭った。
元々汗っかきなのに、今日はいつもより汗をかいてる。
どうせ親父に脅されたんだろう。
「俺らだけで帰ってきたら組長にマジギレされて、若が帰ってくるまで入ってくんなって門の外に追い出されたんです!」
ヤマトが異様なほど震えてる。
…やっぱりな。
親父は過保護すぎんだよ。