色のない世界。【上】
【side ???】
「…ハァ、ハァ、ハァ……」
木々の生い茂る中を走る。
俺の荒い息だけが響く。
走るくらい何ともないのに、左足首の切り傷のせいで息切れがする。
目だけで背後を見る。
俺の後ろからは3人の男が追いかけてきてる。
本当はもう4人いたが、1人は俺の拳で片付けた。
足が一瞬フラつく。
…やばい、もう限界だ…
ふと数メートル先を見ると、古びた大きい屋敷があった。
かなり古いから廃墟だろう。
あそこに一回、身を潜めるか…
考えた途端、俺の足は古びた屋敷に向かった。
【side end】