色のない世界。【上】




お嬢様があいつらと血が繋がっていると思うと、苛立ちしか出てこない。




そんなことを考えていると、車はあっという間に本家に到着する。




足が重い。
あの方に会いたくない。
本家の奴ら全員に出くわしたくない。




世界屈指の大財閥、九条院家。
高層ビルのような本家は首が疲れるほど高い。




世界屈指のだけあって日本ではNo.1。
分野問わず様々なところで活躍している。




九条院家を知らない人はこの世にはいないだろう。




重い足を必死に動かして正面から入る。




護衛人実力トップの私に使用人達は次々と私に頭を下げる。




そして影では私を睨む、下っ端の護衛人。
恐らく分家出身の護衛人だろう。




そんな奴らに興味すら出てこない。
自分の実力がそれだけだっただけで、私を睨まれても何も感じない。




自分の弱さを出世出来ないのをヒトのせいにしてる愚か者だ。




私だってヒトよりも何百倍の努力をして、今お嬢様の護衛人となっている。




貴様らがその努力をしたら、貴様らは耐えられないだろう。



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