色のない世界。【上】
悠汰様は本当にお母様に似ている。
やることも仕草も。
撫でられることが嬉しくて私は笑顔になる。
でもそれも悠汰様の手が止まったことで、消える。
「…悠汰様?どうしたのですか?」
悠汰様の反応がない。
私は首を傾げて悠汰様の顔を覗き込む。
悠汰様は私の足元を見ているようだった。
私の足元に何かあるのかな?
「…悠汰様、私の足元に何かあるのですか?」
私はイスから立ってみる。
でも変わったことは特にない。
すると悠汰様は私の足を指差した。