色のない世界。【上】
「…お前その足の鎖、なんだよ」
「…え?鎖?」
私は驚いて足元を見た。
足を動かした反動で、足首についた鎖がジャラッと音を出した。
このこと?
私の両足首には鎖がついている。
施錠されていて、鍵を使わないと解くことは出来ない鎖。
「…これは私がここから出ないようにつけられたものです。私は後1週間ほどで"道具"となるのですから、こうされるのは当たり前です」
そう説明しても悠汰様の顔は険しいまま。
何か考えることがあるのかな?
私には全く分からない。
だってお母様もこうして両足首に鎖を付けていたし、"道具"になるのだからこれくらい当たり前とお祖母様も言っていた。
「"道具"となる日が近づくと付けられるんです。お母様もお祖母様も付けられてましたから。でも…」
私は歩き出して、窓へと向かう。
悠汰様はただ私を目で追いかけている。
どんどん窓へと近づいていく。
でも、