色のない世界。【上】
九条院家本家のとある会議室。
そこには九条院家の"兄弟達"が集まり出していた。
「あー、ダル。家族会議とかやる意味あんのかよ」
赤髪をツンツン立てた髪型の男が机の上に足を乗せて、ダルそうに座っている。
男の態度に背後にいたスーツ姿の男が耳打ちをする。
「…ダメですよ、坊ちゃん?本家の机に足なんか乗せちゃ」
耳打ちはかなり大声で、最早耳打ちではない。
まるで周りに言いふらしているかのように態とらしい態度をとっている。
九条院家第4男、九条院 湊(くじょういん そう)。
その背後の護衛人、柊 籐馬(ひいらぎ とうま)。
2人とも主従関係はありつつも、似た者同士。
そんな2人を不愉快そうに見ている男が1人。
湊とは違い、しっかりと整った髪型。
「…湊、父上が来る前にその足を下ろしなさい」
男の言葉にあ"?と目つきを鋭くする、湊。
男は怯まずに湊を不愉快そうに見ている。
九条院家第3男、九条院 龍之介(くじょういん りゅうすけ)。
その背後の護衛人、柊 璃玖(ひいらぎ りく)。
「なんだよ、親父が来る前には下ろすって。そんなに不快な顔すんなよな、お・に・い・さ・ま?」
自分で言って面白かったのかゲラゲラと大爆笑している。
背後の籐馬も肩を震わせながら笑いを堪えている。
湊の笑う姿を見て、龍之介は更に眉間にシワを寄せた。