鍵盤になりたくて

01







友達に連れられて来た裏道に面してる小粋なバー。


そのバーはカウンター席とテーブル席、そして中央にドンッと置かれたグランドピアノ。


バーに入ってから他愛ない事を話したりして30分は経った頃だろうか。


スーツを着た男性がグランドピアノに近付いて、周りに一礼するとグランドピアノを弾くのか椅子に腰掛けた。





「ねえ、あの人って」

「ん?ああ、ここはああやってプロが弾くんだよ。一時間に一回だったかな」





へぇ〜。


私はカクテルを口に含みながら鍵盤に指を這わす、ピアノマンに視線を向けた。


どんな曲を弾くんだろう。


私は普段クラシックや楽器だけの曲は聞かない。


聞くのはJ−POPくらいで、だからこそ生で聞くピアノはどんな感じかドキドキしていた。



< 2 / 17 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop