レインボーカラー【短編集】


「遥兎くん。どーしたの?」

「……。」

「遥兎くん?」

「……。」

そろそろお姉さんは気まずいよ?

「ずるいです。」

先程まで、機嫌が悪かったかと思えば

頬を真っ赤染めて制服の袖を掴む。


「何が?」

「深井先輩はずるいです。」

「どうしたの。いきなり。」

「言ったら、笑われるからいいません。」

何だ?この可愛い少年は。

「笑わないから。何があった?」



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