レインボーカラー【短編集】
「葵海?顔 紅くね?」
「うるさい。」
「こっち向けよ」
少し強く言われてしまえば
振り向くしかない。
「葵海ちゃーん。
何でそんな照れてるんですか?」
「照れてなんか…っ。」
少し動けばキス出来るほどの
距離まで近付いてきている。
もう、ダメだ。
「もういい。神楽のばかっ。」
繋いでいる手を振りほどき教室をでた。
廊下を無我夢中で走った。
振り向いたら神楽がおってきて……
るわけないか。
自分で逃げ出しておいて後悔。