悲しみを乗り越えて
「嫌だよ!! 私はおばあちゃんに会いに来たんだよ!?」
やだやだ、とお母さんの背中を叩く妹。
するとお母さんが少し大きめな声でこう言った。
「事故の損傷が酷いの。あなたたちに会わせたら、ショックを受けてしまうわ。」
お母さんの顔を見ると、悔しそうな顔をしていた。
そんな顔を見ると、私も反抗していた妹も何も言えなくなってしまった。
しばらくして合流した親戚の人たちと遊んでいると、お母さんたちが戻ってきた。
「今日はもう帰るわよ。」
お母さんが言ったのは、この一言だけだった。
「ちょっと待ってよ、いろいろ教えてよ。おばあちゃんはどうだったの?? 大丈夫だった??」
質問せずにはいられなかった。
お母さんは、少し困った顔をした。
「うん……まだ事故の損傷があるけど、大丈夫そうよ。」