精霊の謳姫
*一章
奇跡の王女
王宮内の一室に、元気の良い赤子の
泣き声がこだまする。
「…おめでとうございます!
王女様ですわ!」
第五王女の誕生に、辺りに居た数人の魔導師が、わぁっと色めき立つ。
「あぁ、王女様ですって!」
「王女様がお産まれになったわ!」
「王女様、万歳!」
歓喜に手を叩く者、涙を流す者、
様々いる中で。
「よくぞ、
産んでくれたな。
クレア。」
満足気に微笑むミロス国国王と…
「………………」
…産まれたばかりの我が子を、
絶望的な瞳で見つめる”母親”のクレア。