精霊の謳姫
そこに国王の面影を見つける度に、
そして自分と似通った翡翠の瞳と
目が合う度に。
「…おかーさま?」
…この小さな我が子の首に、手をかけそうになる。
「おかーさま?
くるしいの?だいじょーぶ?」
自分の母親が、
そんなことを考えていようなど、
自分に殺意を抱いていようなど、
微塵にも思っていないのだろう笑顔に…
「…えぇ、大丈夫よリディア。
ありがとう。」
胸が、悲しみと罪悪感に満たされる。