エターナル・フロンティア~前編~
「よし、好みを聞きに行こう」
「はあ? 今、アカデミーだぞ」
「じゃあ、アカデミーに」
「無茶苦茶だぞ。お前の言っていることは」
店の中に引きずっていったと思ったら、次はアカデミーに向かう。法則性を見出せないカディオの行動にソラは逃げ出したい気分に陥るが、服を掴まれ逃げ出すことはできなかった。
「俺はイリアちゃんの通っているアカデミーの場所を知らないから、案内宜しく。綺麗な子はいるかな」
「……ふられてしまえ」
好きな子に告白しようと思っている最中、違う女性に目をやる。このことを彼女が知ったら、告白の前に玉砕しているだろう。それでもカディオは、目の前のことしか考えられなかった。そう、ソラとイリアをくっつけるのに精一杯で、肝心の部分をスッカリ忘れていた。