エターナル・フロンティア~前編~

 何より、電話の影響で話が途中になってしまっている。パーティーを行う場合、下準備は必死。

「ああ、昼食はどうする?」

「外で、食べようと思っていました」

「それなら、一緒に食事をしないか。勿論、僕が作る。と言っても、簡単な物になってしまう」

「是非、食べてみたいです」

 甘い誘惑に、一瞬にして虜になってしまう。

 ユアンの手料理――

 イリアの瞳が、宝石のように輝く。

 何ともわかり易い反応にユアンは苦笑を浮かべると、そっとイリアの目の前に手を差し出すとイリアの手首を握り、その場に立たした。そして「行こう」と一言告げると、廊下を歩き出す。その後を置いていかれないようについて行くイリアは、満面の表情を見せていた。




「美味しかったです」

「それは、良かった」

 自身が作った料理に対し、述べられたのは素直な感想。それを聞いたユアンは、満足そうに微笑む。彼が作った料理は、スパゲティ・ナポリタン。パスタの湯で加減はちょうど良く、何よりパスタに絡められているソースが絶品だった。店で売っている以上の味付けに、イリアは大満足だった。

「これほど料理が上手いとは、はじめて知りました。博士は、本当になんでもできるのですね」

「一人暮らしだと、必然的に上手くなる」

「だから、ソラも……」

「彼が、どうした?」

「その……ソラも、料理が上手かったりします。結構、色々なジャンルの料理を作れまして」

「そうか、上手いのか」

「ラドック博士?」

「羨ましい」

 ユアンは小声で何度も「上手いのか」という言葉を繰り返している。その姿にイリアはどうしたのか尋ねると、クスクスと笑い出す。そして是非パーティーに呼びたいと言い出し、イリアは驚いてしまう。何故なら、それは想定外の出来事といって内容であったからだ。
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