エターナル・フロンティア~前編~

 和気藹々とした、賑やかが会話が続く。

 その後、全員で片付けを行いお開きとなった。

 勿論、皆満足した表情を浮かべている。そして、口々にイリアに感謝の言葉を言っていった。

 最高の卒業プレゼント。

 これにより、彼等の友情が更に深まっていく。

 次々と、自宅へ戻っていくクラスメイト。

 一方のイリアは、ソラの自宅へ向かう。

 シフォンケーキのお礼に行くのだ。

 手ぶらでは失礼なので、イリアは紅茶の茶葉を持ってソラのもとへ持っていく。本来、菓子を持っていくのが普通だ。しかしソラの腕前を考えると、市販の菓子を持っていくのが憚れる。それほど、ソラが作る菓子が美味しいのだ。

 イリアは、うきうきとしている。

 それだけ、ソラに会うのが楽しみなのだ。

 それにより、いつの間にか向かう歩みが速くなっていた。


◇◆◇◆◇◆


 以前、連絡をしないで向かった時、ソラに激怒された。それにより、イリアは事前に電話を入れる。

 だが――

 いくら鳴らしても、ソラが出ない。

 話中というわけではないので、気付いていない可能性も高い。だからといって、ソラは無頓着ではない。自宅にいる場合、早く電話に出る。そうなると、何かあった可能性が高い。

 次の瞬間、イリアの顔から血の気が引いていく。虫の知らせとうべきか、全速力でソラの側へ向かう。しかし、此方から扉を開くことができない。その為、祈りを込め再び電話を掛けた。

 長く呼び出し音が鳴る。

 十秒。

 二十秒。

 だが、鳴らし続ける。

 すると、ソラが電話に出た。イリアはホッと胸を撫で下ろすが、相手の声音が何処かおかしい。普段、聞き慣れているので簡単に区別することができた。それにより、イリアはどうしたのか聞く。しかし、ソラの反応はいまいち。明らかに、彼の身に何かが起こっていた。
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