エターナル・フロンティア~前編~
第三話 過去との交差
今日は約束の日。
ソラは、レナに会う。
場所は、自然が多く落ち着ける場所。その理由は人目が多い場所では、真面目な話ができないからだ。
約束の場所に先に到着したのは、レナだった。
時間はまだ、10分以上ある。
何でも、落ち着いて自宅で過ごすことができないから。だからこそ、早い時間にやって来た。
彼女が待つ場所。
それは、木々が規則正しく建ち並ぶ公園。
朝が早いということで、公園の中をジョギングしている人の姿が目立つ。また、犬の散歩をする者も何人かいた。しかし二・三時間も経過すれば、多くの人が公園に集まってくる。
公園は、憩いの場所。
食事をする者。ベンチで寝ている者。
人それぞれの寛ぎ方で、時間を過ごす。
レナはベンチに腰掛け、出入り口の方向に視線を向ける。しかし、それらしき人物が姿を見せることはなかった。
時間を間違えたのか。
それとも、約束を破られたのか。
あれから、10分経過している。
そう、今が約束の時間だ。
だが、ソラは何処にもいない。やっぱり駄目だったのだろうと諦めていると、出入り口と反対の方向からレナの名前が呼ばれた。その声音に、反射的に振り返る。そして、目の前に立つ人物を見詰めた。
「お久し振りです」
「ソラ……君?」
「はい」
「元気かしら」
「はい」
「そう……良かったわ」
それは、短い会話の繰り返し。しかし、それは仕方がない。久し振りの再会で、最初から弾けて会話ができるものではないからだ。何処か、ギクシャクした会話。だからといって、二人の中に悪い空気が漂っているわけではない。ソラはレナに促されるままにベンチに腰掛けると、口を開いた。