エターナル・フロンティア~前編~
「イリア……いえ、幼馴染からの電話で、貴女が会いたいと聞いた時は、正直……驚きました」
「迷惑?」
「それはありません。僕も……貴女に……切っ掛けがなかったので、とても嬉しかったです」
「有難う。そう言ってくれて」
どちらかといえば、レナは不安要素の方が大きかった。互いに接点があるといっても、積極的に連絡を取り合う仲ではない。それに二人の関係は、言葉で表せない部分が明らかに強い。
しかしソラの方も、連絡を取りたいと考えていた。それを聞いたレナは、心の中に溜まる物が薄らいでくる感じがした。
「今は、大丈夫?」
「はい。何とか……」
正直、ソラの顔色は普通の人間に比べれば、いい方ではない。だが、彼等――力を持つ者は、このような顔色をしている者が多い。
それに長年の経験で、ソラの体調がいいと見抜く。
健康的な生活というわけにはいかないが、それなりの生活を送っていることに安心する。また、全ての面が保障されているわけではないが、それでも生活を送れることだけ幸せである。
それに――
ソラには、支えがいる。
「彼女は、いい子ね」
「彼女?」
「幼馴染よ」
「ああ、イリアか」
「貴方のことを、真剣に考えているわ」
「……そうですか」
レナの言葉に照れを覚えたのか、ソラは人差し指でポリポリと頬を掻く。しかし、悪い気がしない。彼女にそのように思ってくれるのは有難く、同時に自分をどのように見ているのか判明した。
刹那、チクっと心が痛む。
やはり、感情が過敏に反応を示す。
勿論、イリアの反応は嬉しかった。嬉しいが、立場を考えると今一歩踏み込めないのが現状だ。これに関しての回答は、タツキにも言われているのだが、いまだに明確な回答を出していない。ソラとして、もう一人の回答を欲しいと考えていた。その為、思い切って質問をしていた。