ラズベリー
第5話
・音楽会へようこそ
────
─────────…
それからも変わらない毎日が繰り返されていた。
変わった事といえば、朝礼で満月が微笑んで手を振ってくれる様になり、2日に1度は庭園に来てくれるようになったこと。
そして麻衣と少しずつ仲良くなってきていることぐらいだった。
和輝様は凛々しく見えた。
優輝はそのままだった。
時々だったけど、からかってくるところも変わらない。
でも、なにか皆と違う違和感が時々だけど感じたんだ。
……って、アイツの話はもういいの!
そして、もう第一ステージの試験まで1週間を過ぎたある日のこと。
桜は当たり前のように散ってしまっていた。
そんなある日。
先生から合同授業を知らされた。
「今日は『ハートクラス』と合同授業です。音楽をするので移動して下さい」
「「「「「はい。」」」」」
足早に音楽室へ向かう。
音楽室は3階の一番奥の部屋だ。
そこへ向かっていた。
「『ハートクラス』は完璧な美怜でも気を付けたほうがいいよ」
英理が小声で念入りに注意する。
「何で!?」