ラズベリー
・楽しい時間はいつまでも
「アーアーアー」
突然、マイクテストが行われ、放送が聞こえる。
「突然すみません。変更がありました。北条 葵と山本 美怜が突如、戦うことになりました」
もちろん、ざわざわし出す『Dクラス』。
でも、こういう賭けとか好きなのだ。
テンションも上がっている。
「『Dクラス』の皆様、上手だったほうに後ほど拍手をお願い致します」
「なんか大変な事になってんな。あの葵さんに挑戦するなんて一体誰やねん」
陸は呆れ顔で『勝てへんのに』と言っている。
「ククククッ」
「優輝、何が面白いん?」
「見てたら分かるよ」
そして、指で会場を指す。
隣で声がした。
「優輝が面白がるなんて久し振りだな」
和輝だった。
余裕の表情だった。