ラズベリー
・縮まる距離感
そして朝、第一ステージの試験まで、もう一週間を切っていた。
ドンドンドンッ
まだ目覚まし時計が鳴っていないというのに、ドアが何度も叩かれていた。
私は眠たい目をこすりながら、今にも破壊されそうなドアに向かった。
「はーい。朝から誰ですか」
開けるとそこには、土下座をしたクラスの皆がいた。
「ど、ど、ど、どうゆう事!?」
「「美怜お願い。助けて」」
「美怜ちゃ〜ん」
「美怜ーーーー」
朝からこの事態はどういう事だろう。
さっぱり理解出来ない。
「あ、あのー、詳しく教えてちょうだい?」
英理が皆を代表するように話し始めた。
「だからね、もうすぐ第一試験があるでしょ。それに合格出来るように私たちを指導して欲しいの」
「私、未熟者だけど……」
「いいの。美怜ちゃんしか頼めないの!」
「私も」
「私もよ!」
次々に言いながら、わたしの手足にまでしがみついてきた。