ラズベリー
だから、しかたなく承諾したのだった。
「分かった。でも私甘くなんてしないから」
「「「「「うん」」」」」
朝からテンション高く騒いでいる。
「いつ、どこでしようか。美怜?」
「んー、そうだ。放課後に皆で庭園に集合でいい?」
「「「「「うん。」」」」」
英理が心配そうな目で訴えている。
「でも、なんか作戦とかあるの?」
皆が一斉に黙り込んで美怜に目をやる。
「無いけど、一応考えがあるから。心配しないで!」
「う、うん…」
内心すごい心配だったが、固唾を飲み込んだのだった。
そして放課後に特訓をすることになった。
今日もまたギリギリに学園に向かい、朝礼に出席する。
変わっていた事と言えば、香椎 和輝にかなりの形相で睨まれたこと。
ハート寮がちょっかいを出して来た事ぐらい。
「あんなので調子に乗るなよ!」
「本当の葵様に実力はあんなのじゃないんだから!」
などなど言われてしまった。
後はいつも通りに優輝を睨み返し、いつも通りの授業を終え、私は庭園へと向かった。
ある人物と一緒に……。