ラズベリー
中に入ると周りは木々で覆われ、ベンチが設置されている。
真ん中には噴水があり、水を勢いよく噴き上げている。
(うわぁー、広い学校)
そこはまるで公園というよりも1つの都市みたいだ。
(まずは、
寮に向かわないとね)
父にもらった学園内のもう1つの地図を広げて黄色のハナマル印へ地図通りに目指していく。
(私は『ダイヤ寮』かぁ)
でも、歩いても歩いても歩き続けても、なかなかたどり着かない。
(門をくぐって右に曲がる。
テニスコートに向かって……
すぐに寮があるはず…!?)
通りの抜けるとなぜか庭園に出てしまっていた。
「方向音痴じゃないのに、
ここはどこ?」
頭をかき乱しながら挙動不審になっていた。
そのとき、1人の男の子の声が確かに耳に聴こえた。
「どうかした?
随分困ってるみたいだけど?」
「すみません。今日来たばかりで
『ダイヤ寮』に行きたいんですが」
「ふーん」