ラズベリー
少し正座が崩れたり、言葉遣いを間違えるだけで点数が引かれていくばかり。
四方向から時間が経つ度に口々に点数を引く声が増えている。
「そこ、−3点。」
「あなた、−5点。」
口々に言っている。
皆が苦虫を噛み潰したような顔のまま、これ以上引かれないように努力するものの、審査は最後まで厳しかった。
そんな中、やっと第二試験、『茶道』も終わった。
そして簡単に昼食タイム。
英理が暗い顔で近づいて来る。
「おーい。顔が暗いぞ。」
「だって、茶道でかなり
点数引かれたんだもん。」
(なるほど。)
「まだ、第三試験があるじゃん。
第三試験は何するんだっけ?」
「第三試験は『盆踊り』だよ。」
「でも、何させるんだろう。」
「そりゃ、着付けでしょ。」
「そうかなぁ……」
第一ステージ最後の試験。
一体、何をさせるのだろうか。
そして、第三試験。
『盆踊り』が始まった。
「最終試験です。
『Dクラス』の人を1人着付けして下さい。」
先生の説明を真剣な眼差しで聞く。
ここまでは、英理の予想通りだった。