ラズベリー


美怜はどん底に落ちていく気分だった。


何をすればいいの?

早く誰かを着付けしないと。

こんなので負けたくないのに。

立派になるって約束したのに…。


葵が笑ってる声が聴こえる。

思わず、頭を抱え込んでしゃがみ込んでしまった。


(もう、どうしたらいいの?)


頭の中がグチャグチャになっていくばかりだ。


(助けて…!!!)


「しゃあねーな。
俺が相方になってやるよ。」


一言で空気の流れが変わった。


「え?」


顔を見上げると、目の前には優輝が少し照れながらも手を差し出していた。


あぁ、やっぱり。


いつも手を差し伸べてくれるのはこの人だ。


「時間無くなるぞ。
早くしろ///」

「は、はい。
でも、アンタに借りを…」

「あぁー、もぅ!
受かりたいんだろ!!」


半ば強引だったが何とか始めた。

周りはありえない光景を目の当たりにしていた。


優輝の登場に和輝も葵も陸も……皆が目を剥いていた。


(ど、どういうことだ!)


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