ラズベリー
その時だった
。耳元で自信のない呟きが聞こえた。
「美怜、今回はあきらめる…」
だから、どこにも保障はないけど励ましたかった。
最後までは分からないと…。
「英…「木村 英理……」!!」」
訴えようした瞬間に先生が英理の名前を告げた。
「嘘!?マジで?」
「良かったじゃん。」
「うん。」
2人は両手をパチンと合わせる。
美怜、英理、麻衣、静香の四人が飛び跳ねるように喜んでいた。
見学に来ている陸、満月も微笑ましそうに笑っていた。
優輝は物陰からこっそりとVサインをしている。
そのことに気付いたのは多分、美怜だけだろう。
そしてその結果が全て通知され終わった。
結果、ダイヤ寮は全員とはいかなかったが、80%が合格を決めた。
落ちてしまった子達も涙を目に浮かべながらもすっきりした顔をしていた。
「「「美怜、
麻衣、静香ありがとう。」」」
その言葉がものすごい気持ち良くて仕方が無かった。
「これで、
第一試験を終わります。」
先生の言葉と同時に和輝様はその場を去っていった。
何も言わなかったという態度がものすごく寒さを感じさせた。
(………和輝様!!!)
葵はその場で立ちすくむしか出来なかったんだ。