ラズベリー
歩きながら、彼は話を進める。
「美怜ちゃんはメイドさんかぁ」
「まぁ。そうですけど」
私がメイド候補だって何で分かったの?
一体、彼は…、優輝と言う人は何者なんだろう!?
もしかして、エスパー!?!?
「こんなに可愛いメイドさん、
俺も欲しいなぁ」
いきなり美怜の顔をジロジロ見ながらのナンパ発言!!
(…何言ってんの?この人)
「世話してもらいたいなぁ」
その男は気持ち悪いほどに突っかかってくる。
「ダメかな?
俺のモロ好みなんだよね」
軽々しく言って、私に向けられたキラースマイル。
「よかったらさ、逢いに来てよ。
待ってるからさ。」
私の肩に腕を回して、耳元でささやく。
私はすぐさまに優輝の腕を払い、にらみ返した。
「………」
「………」
2人の間には微妙な空気が漂っていた。
(何なの!?気持ち悪い)
少し距離をおいて付いていく。
本当は危ない人なのかもしれない。
でも今は道を案内してもらっているから逃げ出す事も出来なさそうだ。