ラズベリー
「美怜、久し振り。
そっちはどう?」
「う、うん。普通だよ。」
笑顔の作り方が下手くそになってしまう。
「ふーん。
私も今のところ順調かな。
あ、満月様の入浴時間だ。
美怜、ごめん。
また今度ゆっくり話そうね。」
ただそう言って急いで駆けて行った。
(皆、前進してるんだ。
私だけ残された気分…)
それからも次の日も次の日も次の日も。
美怜は失敗ばかり繰り返していた。
手に足に全身に力が入らない。
そんな感覚がずっと続いていた。
ゆっくりと休めていないから?
眠れていないから?
原因は何…?
今日もずっと訳の分からない状態が続いていた。
朝食を作ろうと台所に向かおうとすると、ふらっと目眩がした。
そしてその場に崩れ落ちた…。
「おい、大丈夫か?
今日はゆっくりと
休んだほうがいい。」
近づいてきた優輝は私の肩を支えて、私の額に自分の額を当てた。
「…だ、大丈夫///」