ラズベリー
それからの美怜は、少し心が吹っ切れたみたいだ。
だからか、失敗もしなくなり、今までどおりに戻っていった。
雅様のことが少し気になっていたが、まずは自分が頑張ることにした。
───
─────…
一方、生徒会室。
そこでは、和輝と賢斗が話していた。
「賢斗、
例の件はどうなった。」
和輝が相変わらず、シャンパンを飲みながら低い声で聞く。
「まだ、
時間がかかっています。」
賢斗がおどおどとしていた。
その返答に対し、貧乏ゆすりをしている。
「早くしろ!」
思わず、怒鳴り声が響き渡った。
「分かりました。ただ……」
「ただ、なんだ?」
「身分を調べる過程で
たくさんの罠があちこちに
仕掛けられていました。」
「罠だと?」
険しい顔で聞く。
そしてメガネの奥が光る。
「はい。ここまで
徹底的ということは裏に
大物がいてるという
可能性があるのですが…」
賢斗は冷静に物事を伝えた。