ラズベリー
寮母さんはボソッと言う。
「でも、
まだチャンスがあるから」
「「「「「本当ですか?」」」」」
その一言で身を乗り出している。
でも、辛くて辞めた子がいたのも事実。
「うん。それはね、Dクラスから
派遣みたいなかたちで要請があるの」
「「「どういう事ですか?」」」
「だからね、その方々から
依頼があったらお手伝いに
行かないといけないの」
「「「「「………」」」」」
「しかも誰が当たるか分からない
仕組みになっているのよ」
寮母さんはそのまま続けた。
「要するに、この機会を大事にして
使用人になれる様に
アピールするという方法よ」
「「なるほど」」
「そんな可能性もあるんだ」
「私達次第ってやつ!?」
またあちこちで話し声が聞こえる。
(思っている程、
簡単な話しじゃないみたい)
他の子は安心した顔をしていた。