ラズベリー
・隣の部屋
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窓を見ると、暖かい陽射しの中、桜がもう綺麗に咲いていた。
その説明会(?)が終わった。
「お待たせ。
じゃあ、美怜ちゃんの
お部屋へ案内するわね」
「あ、はい」
私の部屋は、少し軋む階段を登ったところの一番奥だった。
「あなたの部屋は
308号室よ」
「308号室…」
「はい、鍵。
無くさない様にね」
「はい。
ありがとうございます」
その一言だけを言って、階段をトントントンッと降りていった。
中の造りも外見同様にアンティークの造りになっていた。
大きさは思ったよりも狭くて驚いた。
(私の部屋の
10分の1ぐらい……)
しかし、庶民からしたら十分過ぎる大きさである。
そういう価値観は、さすが東宮のお嬢様である。
トイレやお風呂もちゃんと個人ずつに付いていた。
(ハァー、汚いなぁ。
まずは掃除から
しないといけないかなぁ)
そんな事ばかり考えていた。