ラズベリー
すると、端の方に段ボール箱がたくさん積み重なっていた。
(私の荷物だ。
そういえば、寮母さんが荷物
届いてるって言ってたっけ)
段ボール箱を開けようとしたその時、
(───…!?)
届け出が、『山本』になっていた。
住所も電話番号も全く知らないもの。
改めて私は『山本 美怜』になった事を認識した。
心の奥でなぜかミシミシと軋んだ音が響いている。
そんな時、ピンポーンとチャイムが鳴った。
「はい」
美怜がドアを開けると、さっき寮母さんに楯突いていた女の子がいた。
「はじめまして」
「は、はじめまして」
「隣の部屋307号室の
木村 英理[キムラ エイリ]」
「と、山本 美怜です」
「美怜ちゃんかぁ…よろしくね」
「はぁ…」
「じゃあ、お邪魔するね」
「はい!?」