ラズベリー
・ただいま、迷子中
ダイヤの教室に向かっている途中、何も考えないまま、足の向くほうへ歩いていた。
(…ここ、どこ!?)
私は知らない間に迷ってしまったようだった。
周りには見たことも無い白塗りの壁がずっと続いている。
(ここ、さっきも通ったような…)
歩いても、歩いても教室が分からない。
どこを見ても同じ壁ばかり。
知らない生徒が私の横を過ぎて行くばかり。
ただ時間が過ぎていくだけ。
(なんで同じとこばかり
回ってるのよ!?)
ついに歩く勇気も無くなり、その場に崩れそうな気分になった。
何だが知らない間に目に涙が少し溜まり始めていた。
下を向けば、涙がスルリと流れるだろう。
(私は、泣かない…!)
だから、顔は上に向けて天井を見ていた。
心では葛藤していた。
ちょうど、その時だった。
声が聞こえたのが…!!