ラズベリー
「なんだ、のろけか」
「あと『伝説の女性』の
話を聞いたよ」
「『伝説の女性』!?!?
やっぱり存在したんだ」
目を輝かせてガッツポーズをしている。
「…誰それ?」
「本当に何も知らないんだ」
「うん。でも
名前も顔も知らないって」
「えーっ。
知りたかったのに」
「それでどんな人なの?」
「それはね…あっ!!!
先生来たみたいだから後でね」
「う、うん」
そこまで言ったなら、どうしても教えて欲しかった。
気になって仕方が無い。
───ガラガラガラッ
先生はスライド式のドアを勢いよく開けた。
ドアは滑らかに開いた。
「そこ、しゃべらないの!」