ラズベリー


(そんなにもキツいんだ)


「あっ!!授業中でもプライベートでもご主人から呼び出しがあればすぐに行ってもらうわ」



あまりにもきつい内容と先生の個性に絶句する子がたくさんいる。


先生、色気出しながら言うことひどいよ。


そして先生はある冊子を配りはじめた。



「早く後ろに回してね」



配られた冊子は分厚く、200ページほどある。


表紙には『心得』と書かれていた。



「「「…何これ。」」」



あまりにも理解が出来ずに皆が呟いていた。



「まぁ、それはこの学園の決まりよ。しっかり読みなさいね。今日はここまで、明日から授業だから。以上」



そう告げて、教室を出て行った。



「「「「「ありがとうございました」」」」」



よく理解できないまま、あの後、私達は寮に戻った。


ダイヤ寮に戻っても依頼は全く無かった。


まぁ、当たり前だけど…。


でも、もう使用人の人はすぐに主人のところへ向かっていった。


「…フフッ」


馬鹿にしたような笑いだけを残して。

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