ラズベリー


そして、分厚い本を読み始めた。


ペラペラッと適当にたくさんのページをめくる2人。



(うわー。100項目も決まりがあるよ!?お母さんが言ってた厳しいってこのことを言ってたの?)



そして、たまたま開いたページに書かれていた15項目。



『最上位に香椎家または、東宮家とする。どちらかを生徒会長として任命する。』



と書かれていた。



(えっ!?!?
私が最高ランクの人間?)



いきなりの展開に私は頭が空回りしていた。


だって、一言もそんなことを聞いていないから。


その上、香椎 優輝には乱暴な言葉を言いっぱなしだ。


今は私は『東宮』じゃ無いんだから。


何をされるか分からないんだから。



改めて私は何も知らないんだと痛感した瞬間だった。


その他にも朝の行事、対応の仕方、廊下で会った時の対処方法までこと細かく書かれている。


英理は絶句して、暗く引きつった顔をしていた。



「あり得ない…」



何かをぶつぶつと呟いていた。

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