ラズベリー
その時だった。
たまたま注意点を見ている時だった。
「えっ!!!!」
その美怜の反応に身を乗り出して聞いてくる英理。
「どうかした?」
「これ見て!」
私はその注意点を力強く指を差した。
注意点は最後のページに補足みたいに小さな字で書かれていた。
「えーと、『第一ステージにこの冊子も出します』──…はぁ!?!?」
「最悪だね。
全部覚えないといけないのか」
「あり得ないー」
「100項目なんて
死んでも覚えらんないよ」
半泣きの顔、鼻のてっぺんが赤いような気がした。
英理が机をドンドンと叩いている。
その振動でオレンジジュースが軽く揺れた。
「ここも見て!
第二ステージまでする予定です」
「めんどくさいなぁ」
英理は床に寝転び、ゴロゴロとぐずり出す。
「しかも、『第一ステージを合格しないと”メイド服”は着れません。』だって」
「嘘ーーッ!?
明日から何を着るのよ!」
「それは………ゴニョゴニョ」
「……!!!!」
2人は夜になっても『心得』について叫んでいました。